07

君のいない季節




さよならなんか言ってやらないから覚悟してくれよ台風だしさ
ね、お前にアイツの面影がなくて良かったなんて言ったら怒る?
給水塔にのぼって君と共犯者になりたかった夏がある
漏れ出る音楽の良さが分からなくてさあ 耳壊れてんじゃねえの
目印の三角の形がいびつになってぼくの肩身は狭い

冬の一日が始まる時の烟る山に心奪われたまま
君の言葉は誰も傷付けないなんてことはないんだよ絶対
正しい人間になんかならなくても良いけど擬態はしていたい
社会適合者になれないならせめて天才になりたかったなあ
電車から見る電線の家々にまつわる有刺鉄線の役



わたしでいいのなんて聞いてやらない わたしがいいんだって言えよな
花粉症の音が煩いからみんな平等に病院に行けよ
白紙の上で恋をするなんていうけどそんな器用じゃないですよ
「あと一分ほどで発車いたします」開け放したドアから冬の風
型に嵌らないと生きていけないことはないのに人は不安がる

ハエを食べるきみがしあわせそうなのでいつかぼくもそうなりたい
鏡を見ても見ても見てもぼくの顔はともだちのようにならない
天使にはなれなかったわたしは 神様になるしかなかったんだな
血反吐吐いたわたしのこと、貴方、何も知らないくせに 「何を言うの?」
愛は地球を救うかもね、でもかみさまだけに許されたことだよね



緩やかに融けゆく言語 貴方の世界に私はいないのでしょう
重ねて重ねてそうしたら言語のように身になるか人間性
嘘の香りを思うのにキス一ついらない関係が良かったよ
伽藍堂に愛していますと学習もしないロボットは廃棄へ
きみがわたしを愛する度に傷が出来ていくなんて物語ね

ずっと加害者であったことを忘れるほど傲慢にはなれないさ
共犯者であった 何を言うことも重ねる感傷もないけれど
永劫こどもでいたらおまえのそれを悪戯にしてやれるのにな
まるみ帯びるお前の肩がもっと四角になれば良いと願う二時
猫を飼う資格を教えてください 殺してしまわない秘訣を



この胸の奥も身体(からだ)の奥も残らず殺してくれたって良いさ
お前の笑みを笑みと分かる、これを優越と呼ばない庭にて正午
呪いを呪いとも呼べない貴方はきっと人間らしいのだ、たぶん。
夜が何もかもを隠すなら憤りもすべてお前が呑み込め
愛が何かを知った時にお前はきっと俺を恨んで憎むよ

分かったふりしたお前を殺してやるのが夢だなんて馬鹿だろう
箱庭はお前に狭過ぎたのだろうな、ならば始末をしなければ
首輪のつかない猫の物語をぼくはきちんと終わらせるのだ
お前を人間にした代償の旅 地獄のそのまた向こうまで
愛だの恋だの馬鹿らしいとは思いませんか 呪われたきみは



嫌いになるようレールを敷いてるのに端から壊すな馬鹿野郎
お前のライナスを俺にするなよ 地獄の底で後悔してくれ
眠るように死ねると良いな お前が与えられなかったものすべて
君の眠りを妨げるものは消してくるよ だからおやすみなさい
あの手のひらは何処までが真実なのか分からないから塩を塗る

好きと嫌いは両立すると仄めかしたお前がぜんぶわるいさ
星であるくせに泥に塗れて落ちている無様なアンタが好きだよ
落ちたものは落ちたもの 今更惜しくなっても返しやしませんよ
血と血と血と血で翻って消える俺たちで本当に良かった
どうかご指導ご鞭撻よろしくお願いいたします 愛について



必死に僕を呪うきみの無能さが、ああ、愛しくてたまらない
愛、人間、神様、呪いでろくろを回す 出来たのは壊すけど
ぐちゃぐちゃになった心で塗り潰す 色も混じらないのを知っていて
めちゃくちゃくだらない大人になったわたしへ もうちゃんと死ねましたか?
奇麗事しか言わない糞餓鬼の僕へ 残念ながら生きてます

物語の終わりばかり追い求め 破壊者に成り果てし我が心
君が青い蝶になって僕の夢を喰べてる、そんな夢を見てる
口開けた薔薇の白い歯 すべて残らずばきばきに折って見せたい
君のくだらない悲しみなんて 本当、くだらないほど美しい
きらきらひかる涙を宝石にしたら噛み砕いてしまえるのに



「あっ、ちょっとねえねえ、君だよ君。生きる許可ちゃんと貰ってないでしょ?」
「困るんだよね、そういうの。最近無許可増えてて大忙しだよ」
同じ日に生まれた双子座の幼馴染 結婚なんてしないでよ(テーマ:双子)
君を造花のように琥珀のように閉じ込めておけたら良かったのに
君が私と同じに落ちぶれていてくれてよかった、愛してるよ(テーマ:双子)

一人では生きていけない振りする君はまだ同じことをしてる
かわいそうがられるのは楽しいでしょうね でも私を巻き込むなよ
自分が好きなだけのお前にさ、優しくしてやる道理はないよね
何でも良いから嘘を吐いて 貴方の言葉で再教育してね
愛だとか恋だとか言葉にしてる暇があるならからだで聴けよ



君の眠る箱庭を守りたかった 窓辺の光を遮って
俺には心がないようなので言いますね「愛してますよ、一生」
貴方のこと、何でも知ってるのに貴方の思考に追いつけないまま
古くなるって言ったあの人のこと笑えないわ 閉じ込めないでよ(テーマ:フォト)
私の世界を勝手に覗かないでよ 切り取ってみたものとは言え(テーマ:フォト)

こわれてしまった貴方をフローライトに喩える美しい人と
君のことが嫌いだと素直に言っても伝わらない世界だから
君は馬鹿だ君は馬鹿だ君は馬鹿だ君を好きな僕はもっとだ
全チップ君に賭けます賭けてやります此処は地獄の特等席
愛してますから一緒に地獄に堕ちましょうね、本当にあるなら



ポップコーン買ってきて 横空けて待ってるから ほら、これお小遣い
地獄を見よう 特等席で 僕らはもう此処以外には居れない
ひとりでいられないのを群れるための正当化条件にするなよ
猿山からおりられなくなったおさるさん お尻は何色ですか
足の引っ張り合いはさぞたのしいことでしょうね うつくしいことですね

「君の出来たことが僕に出来ないはずがない」 君の顔で言えるよ
地獄なんてないよ、ないけど一緒に行ってやるよ 愛しているから
可哀想にね、って言えば貴方は勝手に死にたくなってくれるの?
最低に優しくなってあげるよ 君のために 君を殺すために
愛のもとにすべて赦されるなら君を愛すから殺してもいい?



坂道に石を放るように ねえ、君の愛は暴力へと変わった(お題:急)
愛して欲しいなんて言えないよ こんなにもぼくはぼくがきらいだよ
ひゃっかい叫んでもほんとのことは誰にも言えないまま ひみつ ひみつ
玉石混合の石くらいにはなれるらしい こんなぼくであっても
何一つとしておなじになれない スカートの丈もヒールの高さも

あぶらぜみの絶滅したやうな日々でした 人々の聲はするのに
君が美しいと喜ぶものすべて、醜い怪物に見えてる
バカ高い身分証明だけだけど捨てるのもこまるしかさばるし(お題:免許)
雨が落ちました 君の心なんですから 傘くらい貸してください
人間だからまだ死ねるんですよ 人間だからちゃんと死ねないの



20190226