03

カエルの顔をしたともだち




「大好きだよ、いつでも死ねるよ」「ねえそれ呪文? 効果切れてるんじゃない?」
いつか死んでくれねえかなって君はいつも簡単に泣くけどさ
しじみの味噌汁飲んでも二日酔いにならないわけじゃあないけどさ
だからつまりこれは儀式なんだよだから大丈夫だっておまじない
朝ごはんにお味噌汁があるようなそんな家庭を築きたかった

バレエシューズ履いたって踊れたりしないけど背徳感は得られるんだよ
君のいない生活はいつだって想像の外にあるから無理だよ
過払い金の内訳が交際費で誰に貢いだのかなあって
奥さんに内緒なんでしょうわたしたち共犯ですね永遠に
きぐるみのうさぎは夢を見る 何処にも行けないカミサマくんの夢



君が思い出になるくらいなら今すぐに殺してあげるから、ねえ。
君を殺しても思い出になるので理不尽極まりないね
「大丈夫」そんな呪文一体もう何回繰り返したんだろう?
ねえ。ヒーロー 私がもっと弱虫だったら守ってくれましたか?
羽根を持ったねこ たまごから生まれて殻はムシャムシャ全部食べれた

明日は傘をお持ちください 脳内麻薬が溢れ出る警報
絶対零度の人魚姫 どうしても王子様を殺したいらしい
人が歩いてそれでもそこにある黄色のぼつぼつ 剥がれたおうとつ
残しておきたいガラクタだってきっとどこかにたくさん眠ってる
政治家もニュースキャスターも隣の人もみんなみんな紙一重



さようなら≠サう言っただけなのにこの胸はずきずきと痛んで
ぼくはつよいので泣かされたなんてどんなになっても言ってやらない
ありがとうありがとうありがとうとても素晴らしい言葉だねタダだし
裏切られたとか喚かないでね これだけが私の選択だから
貴方にとっては些細なことでもわたしにとっては大きな傷で

連鎖感染 未完成のぼくがきみを侵食していく木曜
すすめよすすめ振り返らずに必ずきっと辿りつけるから、ほら。
やりたいことも出来ずにあなたもぼくも捕らえられたまま死んでいく
裏切って掴む「生」だからこそ人は醜くて美しいんです
曇り空に流れてく工場の白煙がひどく紛れ込んでる



殺したい殺したい殺したい今すぐ残酷に三回くらい
とても簡単でした君との糸を消すことは ぷちんと 本当に
右を向いたら左は向くなよ一定方向にすべてを込めろ
生きるために重ねるものならたとえ罪でも美しく見えますよ
分かっていただから頷いてみせた 君は世界のすべてだったよ

超王道のラブストーリーを心ゆくまでベタベタにこなそう
イマイチみんなの世界とやらに馴染めないかんじ染まれないかんじ
そういうのって社会不適合者って言うんだよね 君は知ってた?
ある日君の顔がカエルになって変わったのは僕と気付きました
君はいつもと変わらないですいつも通りにハエを舌で獲ってる



羽根を失くしたねこはすごすごとたまごに戻っていく カラザもないのに
檸檬は爆発しないけどてめえの目を潰すのには充分です
ダンボール・ルーム 授業で作ったわたしときみのための秘密基地
咀嚼して飲み込んであげるよひとつずつ 愚かなきみの言葉だし
色も味も知っているけど君の一言ひとことが愛おしいし

愛されることだけ求めてた ままならない愛し方抱えながら
心を真ん中で受け止めるから愛≠チて言うんですよそうでしょう?
儚くて汚らわしい生き物。それが人間っていうやつですよ。
首を振るピエロ「悲しいって忘れたらずっと笑ってられるかな」
見えもしない敵におびえているのでどうか頼りにしないでください



無愧な人生を送っている人って多分そんなに少なくない
かみさまが言いました「裏切りさえも運命(さだめ)です」ならしょうがないよね
ペンを持ってホラ創ることだけが僕の世界でそれ以外にない
雨ときどき半分日記 君に会えない金曜日のミルクティー
飾っておくしか出来ないプライドなら今すぐドブに捨てちまえ

約束は守られるためのもの? 破られるためのもの?? 意味のないもの?
この喉を切り裂くのは誰? 蛇のような優しさで泣いてくれるのは
君に云おうか ただここにあるすべてを思いやりの切除と共に
みんな成長してく 血にまみれてく ない胸見ては肩を落とした
美しい言葉を使わずにきみを表現しようとするみたいに



君が泣いて懇願して喚いて狂っても殺してなんかあげない
君は僕と最後の最後まで生き延びるんだよ これは呪いだよ
やがて亡霊となるこの想いを貴方は埋葬してしまったね
非道(ひど)すぎる感情は朽ちてピエロは泣き顔にキス 死に顔にキス
真夜中の恋と夜の虹と旅をする乙女 魔法さえ信じて

たとえば彷徨う貴方への不毛な思いが幾ら溢れようとも
計画的な恋愛 打算的な破局 寂しいのはわたしだけ
馬鹿には果てがないから底なしの恋愛ゲームの結果逃走
鬼しかいない鬼ごっこ 百まで数えたら林檎にキスして終わろう
目を逸らした世界 色褪せる涙 魚が酸素を欲している



物語のはじまり いつだって君たちは永遠に近付けるよ
君が笑う 愛すら失くして 水のない浴槽で一晩眠る
喜悲劇に飲み込まれて舞台の上 カメラを失った現在地
ねむれ 目を閉じて すべてを消して ねむれ 目を閉じて すべてを失くして
好きだとかいうその気持は真実か嘘か本当か偽りか

貴方のお傍にいたいのですとそれが唯一の願いだったのに
どうか会いたい それが無理なら今すぐにこの身を 求める指先を
どうか焼いて焼いて焼いてすべて骨まで灰にして 空へ舞い散る
青二才はそうして振り出しに戻る 夢は叶えられるものだから
笑って笑って泣かないで忘れて笑って泣くことすら忘れて



ただ会いたくてそんな気持ち押し込めて馬鹿みたいに前に進んで
君の世界を彩るのは君の生み出した穢れかもしれないよ
ペンを持て紙に向かえ 脳細胞の死滅をいいから防ぐんだよ
恋するニンジン惑星 優しさに溺れて大洪水 タ・ス・ケ・テ
負の連鎖はぷよぷよみたいに消せるよ ぷよぷよやったことないけど

どうやらあの目には周りに転がるたくさんの死体が見えていた
存在しない屍を蹴り飛ばす もうここは二人きりの世界
この碌でもない世界で壮大な夢を見よう 夢を ゆめをみよう
どちらがホントか分からなくなったらきっと誰かが殺してくれる
こんなに胸が痛いよ処理仕切れない感情ではちきれそうだよ



貴方を抱き締めるためにあたしには大層な理由が必要で
疲れきった背中抱き締めることすら些細なことすら出来ないで
ブラックホール? ホワイトホール? 色なんかどっちだってもどうせいいよ
どうせ行けもしない宇宙の果てにそれでも君は行きたいとか言う
きれいになれたらきっとしあわせよねと蛾のような貴方は呟いた

好きだもん忘れられる訳がないとそっぽ向いて言って馬鹿みたい
チョコレイトの香りに誘われて運命的出逢い フェアリーテイル
私はここにいますいるんですよ 忘れ去られた存在の涙
もしも死んでしまったのがぼくだったらきみは歌ってくれましたか
一時(いっとき)の幸福と何を引き換えにしたのかなんてもう知らない



20170720