君依存症 

 いつだって何も考えないで気持ちの良さだけ追いかけて、それで良かったはずだった。
―――いつも似た感じの人だよね。
もうちゃんとした言葉なんて思い出せないけれど、そんなことを言われたからか。似てる、なんて。そんな訳。瞼の裏がチカチカする。もう終わりが近い、もっと縋っていたいのに、まだ一緒にいて欲しいのに、これが終わったら消えてしまうから、それは嫌だから。少しでも、長く。ちらつく幻影。ぐちぐちとした粘膜の音。馬鹿みたい。喘ぎ声、高い声、知らない声。綺麗だと言ってくれた声、好きだと言われた声。可愛いね、好きなんだね、そういうの良いと思うよ―――汚い、きもちい、おんなじなのに。
―――ちがう。
 その顔すら思い出せないのに今更何を言えば。
「   」
はく、と戦慄いた唇は、一体誰の名を呼んだのだろう。

***

しあわせにしてよ 

 俺さあ、初めて人を殺したいって思った。
 坐故が同級生にして隣人にそんな言葉を吐かれたのは大学の食堂でのことだった。掠れた絞り出すようなその小さな言葉はわいわいがやがやと楽しげな食堂の喧騒に紛れてきっと、坐故にしか聞こえなかったことだろう。ずずっと自分が頼んだ分のソーダを飲みながら坐故は目の前の同級生にして隣人を見つめる。
 拗らせているなァ、とは思っていた。
 思っていたけれども此処までとは思わなかった、というのが正直で。一時期黒魔術とか言っていたけれどもそれはレポートだとかいろんなものが重なった結果だったことだし、それこそ一時の気の迷いだと。
「それはさァ」
「あ?」
「どっちを?」
「相手をに決まってんだろ」
なんであの男を、になるんだよ、と言う彼に、そもそも殺したいなんて言葉は普通ならば出てこないものなんじゃないかなァ、なんていう常識を説くつもりはない。
「なんかあったの」
「なんか、っていうか」
「こないだちょっと会場かぶるかもしれないから見れるかも、とか言ってたじゃん。盗撮出来た?」
「それどころじゃなかった」
盗撮は否定しないんだな、と思いながら意味もなく巻かれるパスタを見遣る。多分食べる気ないんだろうな、ないならもらおうかな、なんて。貧乏学生にとって食事はとれる時にとっておくものだ。最近腰の調子も本当に良くない訳だし。
「………あの男の隣に、すっげえ綺麗な人がいて」
「女の人?」
「そう」
「で?」
「めっちゃ良い笑顔向けてた」
「盗撮してくれば良かったじゃん」
「違う人が映るだろ」
そういう問題なんだ、と思う。ごろり、と頭が転がる。かつん、とフォークが落ちる。食べる気は本当に沸かないようだった。元々食が細いだろうに、すぐにこう思いつめるのだから見ている側としては少し、はらはらとすることもある。
 まあ空腹を前に見栄は張らないけれど。
「涼暮くんさァ」
「何」
「それ、食べないならチョーダイ」
「…ドーゾ」
「ヨッシャ」
何のパスタだか知らないけれど、注文するのを聞いてすらいなかったけど、まあ良いだろう。多分外れはない。
「なんか、さ」
「うん」
「ああいう顔、俺には向けなかったな、って」
「そりゃ仕事だからじゃなくて?」
「でも向けられたことなかったな、って」
「そう」
「思ったらぐるぐるって」
「うん」
「ずっと隣にいるから」
「うん」
「食事とかもすんだろーなって」
「うん」
「そしたらその後とか、」
「で、何、抜いたの」
「なんで」
「えっ、今そういう流れじゃなかった?」
「ちげーよ何でそうなるんだよパスタ返せ」
「えー間接チューになるけど」
「やっぱ返すな。全部食え」
「ありがたくいただきまーす」
 わいわいがやがや。
「…なあ、坐故」
「なーに。これウマいよ」
「そー良かったな。………俺ってさ、不毛?」
「不毛って言ったら涼暮くんそれ、やめんの?」
喧騒に紛れる。
 坐故はその答えを、知っている。

 「やめられるもんなら聞いてない」



image song「呪い」増田ミシン



20160222

***

寄るな、色男 

 その年の差のこともあったのだろう、子供っぽい真似はしないようにと、努めていたはずだった。無理をしていた訳ではない。そもそも涼暮自身がそう子供らしい部分があまり(あまり)なかったとも言えるし、彼のする子供扱いらしきものも何かしら彼に与えているのだと分かってからは、特にそれに反発することもなく、心中穏やかに共同生活を送ってきた、つもりではあったが。
 流石にその日は遅くまで仕事をして来たその人を玄関で迎えて、それから隠せずに顔を顰めた。
「…やっぱり気になるかい?」
困ったように眉を落とすその人が、別に意図してやったものではないと分かってはいる。
 食事会とて、彼の大事な仕事の一部だ。付き合いというのはとても大切で、それをあまりして来なかった涼暮とは比較にもならないほど、彼の仕事にはそれが密接に関わってくる。
「…気になるとか、そういうレベルじゃないんですけど」
 無意識に一歩下がるほどの香り。ここまで来れば匂いと言っても差し支えないだろう。
「相手の機嫌を損ねるのは流石にまずいと思ってね」
「それは分かってます」
「ちゃんと角が立たないようにお断りして来たから大丈夫だよ」
「それも分かってます」
「ファブリーズもするから」
「いやもうクリーニング出せよ………」
あともう先に風呂に入れよ、と考えるのが面倒になって首を振ると、先に、ということはその後があるのかな、と笑われた。
 お誘いともとれるその言葉は少しばかり優越感を満たしはしたが、疲れているはず相手に何を求めるのも子供っぽい気がして、いいからはやくねろよ、としか言葉にならなかった。



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***

いつか夢の続き 

 しん、と静かだった。そう思うのは涼暮のイメージが、ずっとそういうものであったからかもしれない。
「あかねさん」
久しぶりに口にする名だった。振り返ればいつでも其処にいるような気がして、一人になったなんて、傲慢のような気さえして。
 だから涼暮は最小限しかその名を口にしなかった。する必要が、なかったから。
「もうすぐ、貴方のところへいきます」
 貴方は、お元気ですか。お元気でしょうね。



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***

どうしたら俺のものになる? 

 姿を見る度にそんなことを思った。それを思う度にその人はものではないと、そんな真っ当なことを思うようになったのは、此処での生活のおかげだろうか。
 此処へ来る前の涼暮にとって、感情なんてものはずっと遠くにあるもので、誰かが作品として形にするもので、自分には関係のないものだった。だからハイネに憧れたのかもしれない、その模倣を始めたのかもしれない。 ずっと、涼暮の作品は空っぽだった。感情のこもらない、ただの箱だった。それに、息を吹き込んだのは。
「………アンタだって云うのかよ」



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***

貴方がもし疲れて立ち止まったら、教えてください。 

 桜がまっている。
「そういえばさあ、」
梓は振り返らずに話し出す。
「初めて会った時も、こんなだったよね」
桜が綺麗でさ、おれは入学式に遅れそうで。
「あの時、おれ、じゅんちゃんせんぱいに一目惚れした、って」
「ことにした」
「………なーんだ、バレてたんだ」
「理由までは知らないが」
「理由なんてなかったよ」
「そうか」
「そうだよ」
何もかも分かるなんてそんなすごいことは起こらない、下井は下井梓であればあるほど彼のことが分からなくなっていく、下井梓≠ナあった時は何も怖くなかったから、何をするにも断定をつけることが出来たのに。
 今は。
 嫌われることが、怖い、なんて。
「…オレは、別に、」
まるで何もかも分かるというような調子で彼が言うのが、だから下井には分からない。
「お前のことを嫌いになるなんて、出来ないと思うけどな」
「なんで、さあ…じゅんちゃんせんぱいはおれのきもち、分かるの」
「分かるんじゃねーよ。推し量ってんの」
「一緒じゃない?」
「一緒じゃない」
頑なに言い張るからそう、とだけ返した。
 なんだろう、推し量るのと、分かるのと。何が違うんだろう。
「オレは…」
再会してからこちら、彼から口を開くことは数えるほどしかなかった気がする。会話をしていないと、言葉を交わしていないと、何か道を間違えてしまう気がして。
 怖くて。
 怖くて。
「オレは、お前のことがすきだから」
目を、瞬(しばたた)かせる。
「努力を、怠らないでいたいと、そう、思うよ」
桜がまっている。ぶわり、と視界が奪われた気がして。
「じゅんちゃんせんぱい!」
走り出す。
「おれもー! だいすきー! だよ!!」
「…声がでかい」
 桜が待っている。



『たった1つお願い…』
じゅんちゃんせんぱい へ
好きな人『あなたがもし疲れて立ち止まったら、教えて下さい。私があなたを背負って行くから。』
あなたはこのお願い、聞いてくれますか?



20160401

***

加害者と被害者(ニュースでは、) 

 この人を誘拐してこれから、おれの人生はいっぺんに変わってしまった気がする。当たり前だ、これは誰が何と言おうと犯罪なのだから。犯罪を犯してまだ真面でいられる人間なんて、この世にそう多く存在はしないだろう。
 だろう、と思っているのにどうしてか、この先きっと犯罪を起こしてくれるであろうこの人のことを、おれは手放せないし、その所謂被害者とやらになるのがおれであろうとも気にしない、というかおれであってほしい、なんてことすら思うのだ。だがしかしこの人は犯罪を犯罪を認めているが故にそれをなかなか起こそうとはしないし、何かと言って海を見に行ったり桜を見に行ったり、あちらこちらぶらぶらとしている。この世界の何処にも彼の居場所がないことを確認するかのように。おれの隣にしかないことを、確認するかのように。なんていうのは流石に、妄想。だったけれども。
「…きれいだろ」
ぎゅっと手を握られたので握り返す。この人はこういうのを嫌うはずだったのに、誘拐してからこっち、ずっとこんなことを繰り返す。吐きそうなくせに、気持ちが悪いくせに。どうして無理なんかするのだろう。そんなのはおれがしたいときだけで充分なのに、じゅんちゃんせんぱいを苦しめるのはおれだけで充分なのに。
 どうして、じゅんちゃんせんぱいが、率先して苦しい方へ行くのだろう。
「あずさ」
心細そうな声でその人は言う。今にも、さっき食べたファーストフードを戻しそうなくせに、何を言うのだろう。
「…オレたち、ずっと一緒にいような」
 目を、見開いた。
 どうしてそんなことを言うのかと、おれのことすきじゃないの、と叫びそうになった。星空に似合わなく、子供のように、子供というものがなんなのか、おれにはよくわからなかったけれど。
「………うん」
おれには、頷く以外にこの人の想いに応える術は、なかったから。



(うそつき、うそつき、うそつき)



綺麗な星空の下、真面目な顔で手を握られ、はっきりと「ずっと一緒にいよう」と言われ、まっ赤になりながら相手の背中を叩く下井
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20160403

***

痕でもつけて困らせてやろうか 

 涼暮洋は子供ではない。子供ではないと再度言うことになったのは先日のクリーニング騒動からあけて間もないのにまた同じ香水の匂い(もう匂いである)(譲らない)をまとわせて彼が帰ってきたからだった。子供ではないのだが、こう間をあけないで来られると精神的にくるものがある。子供ではないが、自分の恋人がモテるという事実を自慢できるほど大人でもない。
「クリーニングには出すよ」
「当たり前だろ」
「で、今日はそれなりにはやく帰ってきた方だと思うし、明日もそんなに早く出なくて良いんだけれど?」
選択の余地を与えるのは狡い、と思う。
 けれど も涼暮は、その狡さも含めて彼のことが好きだった。



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このあとめちゃくちゃセックスした

***

百の質問 

1 あなたの名前を教えてください
「涼暮洋」

2 年齢は?
「えー…今幾つだったっけ…二十…六? 確かそんなもん。約束までは延々自分の年齢数えてたけどそれからはあんまり気にならなくなったし、なんていうか、そもそも結構年齢差あるし…気にしてないとは言わないけど、気にするのもな、って思ってたら自分の年齢数えるのやめてたよね」

3 性別は?
「男だよ」

4 貴方の性格は?
「引きこもり? よく言われる。今でも。別に外出は好きだけど」

5 相手の性格は?
「一言でいうと狡い大人。あと変人。………まあ、優しいし、わりと茶目っ気あるし、子供みたいなとこもあるけど。………狡いところも変な趣味あるとこも別に好きだけど」

6 二人の出会いはいつ?どこで?
「最初はあれ、面接の時。多分。そっちで言うならどっかの教室。存在を認識した、ってとこなら…四月だったかな、五月だったかな。でもあれは俺が一方的に見かけただけだしな…。嘆願に行き始めたのが一年の六月とかだったと思うから、その辺かな。そっちだったら理事長室。あんま朝礼とかは聞いてなかったからそっちの印象は薄かった」

7 相手の第一印象は?
「………きれいだなって。………あーもう頼むから明音さんには言わないでよ恥ずかしいんだから。理事長室の方ならまあ…何言ってんだこいつとは思ったよね。噂には聞いてたけど膝に乗っておねだり出来たら聞いてあげる、とか実際言われると一瞬戸惑うよね。で、しないなら君の願いは聞けない、とか。今思うとランプの精みたいなこと言ってんだなあの人…」

8 相手のどんなところが好き?
「顔? えっと…なんていうか、ああいう…やたら子供に甘いとこ。自分の例あるし、ちょっと心配なとこはあるけどまあ、そういうとこ、可愛いとは思うし」

9 相手のどんなところが嫌い?
「これ前なら子供扱いしてくるところって答えたと思うんだけど、あれあの人はしゃいでるだけなんだよな…」

10 貴方と相手の相性はいいと思う?
「どうだろ。俺がなんかほぼ一方的に押しかけたみたいなとこあると思うし、いや別に愛されてる実感はあるけど相性…どうだろ…」

11 相手のことを何で呼んでる?
「明音さん。最初理事長って呼んだらもう君の理事長じゃないよ、って言われたんだよな。橘さん、って呼んだらそれも違うって言われたから。慣れるまで時間掛かったし最初はすげえ照れたけど、うん、ほら、…名前もきれいじゃん」

12 相手に何て呼ばれたい?
「普通にもう名前で呼ばれてるからな…これ以上の希望は今のところない」

13 相手を動物に例えたら何?
「………くじら? なんかほら、そういう感じじゃん」

14 相手にプレゼントをあげるとしたら何をあげる?
「服は前送ったらいろいろとあったし…何が良いんだろう。忙しい人だから何かこう、疲れが癒せる系のやつ坐故とかに探して貰えば良いのかな…」

15 プレゼントをもらうとしたら何がほしい?
「なんかもう充分貰ってるから…別に何が欲しいとかない。あの人が俺のために選んでくれたってだけで嬉しいし」

16 相手に対して不満はある?それはどんなこと?
「普通にモテることかな…。いや僻みじゃなくて。嫉妬ですよ嫉妬はいはい嫉妬です」

17 貴方の癖って何?
「なんかあんのかな。特に自覚してるのはない」

18 相手の癖って何?
「癖っていうか表情筋のコントロールすげえなっては毎回思う。仕事柄だとは思うけど。俺の方がいっつも余裕ない気がするし」

19 相手のすること(癖など)でされて嫌なことは?
「これもちょっと前なら子供扱いしてくるとこって言ってたな………。今は別に嫌じゃないよ、はしゃいでるんだもんあれ…」

20 貴方のすること(癖など)で相手が怒ることは何?
「不摂生? 怒られる訳じゃあないけど、仕事立てこんでる時以外はちゃんと朝起きるようにしてるし、まあ仕事立て込んでても見送りくらいはするんだけど。明音さんと暮らし始めてから大分俺健康になったと思う」

21 二人はどこまでの関係?
「どこまでって言われると…何て答えたら良いんだろう。一緒に暮らしてるし恋人だし、やることもまあそれなりにやってるし…なんて言うんだっけ、こういうの。事実婚?」

22 二人の初デートはどこ?
「約束の時のはノーカンだよね? でもそれでもご飯、かな。あんまり俺がどっか行きたいとかないし、あと休みはちゃんと休んで欲しかったし…」

23 その時の二人の雰囲気は?
「雰囲気って言われても。俺がガチガチに緊張してたことくらいしか。余裕なかったんだよ、高嶺の花と恋人になるとか予測不可能だろ」

24 その時どこまで進んだ?
「普通に飯食って帰った。は、ず…うん、多分。だめだめっちゃ緊張してたことしか思い出せない恥ずかしい」

25 よく行くデートスポットは?
「ちょっと良いレストラン…以外だよな。水族館はよく行く方だと思う。あと美術館とか」



26 相手の誕生日。どう演出する?
「演出とか向かないし。普通に食べきれるサイズのケーキ買って祝う。っつってもちゃんとその日に祝えることって少ないんだけどな。付き合いとかあるし」

27 告白はどちらから?
「俺」

28 相手のことを、どれくらい好き?
「六年片思いしてられるくらいにはすき」

29 では、愛してる?
「あい…ど、うなんだろ。俺はずっと明音さんのことすきだけど、それは恋愛って断言出来るけど、ちゃんとそうやって言葉にしていいのか、ちょっと不安になる時ある」

30 言われると弱い相手の一言は?
「ナントカしたいからナントカして? とかっていう、そういう、あっちの我が侭を言ってますよ、みたいなお願いとか…あれ狡い」

31 相手に浮気の疑惑が! どうする?
「仕方ないかなあ、と思う。って答えとく。………坐故に連絡とるかも。あいつ、そういうの変に詳しかったりするから」

32 浮気を許せる?
「回答を控えさせていただきます」

33 相手がデートに1時間遅れた! どうする?
「忙しいし、連絡入れらんないのも分かるけど、何かあったのかなって心配になるからもっと通信機器発達して欲しい」

34 相手の身体の一部で一番好きなのはどこ?
「顔」

35 相手の色っぽい仕種ってどんなの?
「多分絶対外ではしてないけど、あとあんまりそういうの家でもないけど、ジャム塗るの失敗して指についたの舐めてるの。やばい。最近ちゃんと朝起きてるからそういうのやっと目に入ってくるようになった」

36 二人でいてドキっとするのはどんな時?
「カウチとかに身体投げ出してるのとかなんかこう、無防備だなって思うようになった」

37 相手に嘘をつける? 嘘はうまい?
「下手だと思う。あんま嘘吐いたことないし。吐く予定もないから別にいいかなあ」

38 何をしている時が一番幸せ?
「本読んでる時」

39 ケンカをしたことがある?
「喧嘩にならない気がする。そもそも俺喧嘩の仕方知らないような気がする…榎木にキレたのが唯一じゃね? うわ、それで良いの…俺…」

40 どんなケンカをするの?
「明音さんは踏み込んで欲しくない領域とか、踏まえてる人だし、俺は俺でこう…こども、だし。うーんやっぱり喧嘩にならないっていうか、喧嘩してもらえない気がする。別にしたい訳じゃないけど」

41 どうやって仲直りするの?
「仲直りの仕方も俺知らない気がしてきた…どうしよう…」

42 生まれ変わっても恋人になりたい?
「うーん、どうだろう、そもそも生まれ変わりって俺あんまり信じてないや。あー…でも、ほんとに星の王子さまみたいになるんだったら、明音さんのいる星には行きたいとは思うかな」

43 「愛されているなぁ」と感じるのはどんな時?
「なんかもういっつも。な、気がする」

44 「もしかして愛されていないんじゃ・・・」と感じるのはどんな時?
「ない。これがほんとにない」

45 貴方の愛の表現方法はどんなの?
「だ、だきしめる…とか? 後ろから、だけど。正面からとか無理。恥ずかしくて無理。………膝には乗れるのになあ」

46 もし死ぬなら相手より先がいい? 後がいい?
「約束したからね、後。ちゃんと俺が明音さん看取る。…別に後追いしたりとかはしないよ。寂しいとは思うと思うけどね」

47 二人の間に隠し事はある?
「ないこともないんじゃないかな。でもざっくり程度なら俺の家庭事情とかも知ってるだろうし、俺も隠してる訳じゃないし、隠し事っていうか、お互いに踏み込んでかないだけなのかな」

48 貴方のコンプレックスは何?
「…やっぱ、年、かな。今まで恋人はずっと同年代だったって言ってたし」

49 二人の仲は周りの人に公認? 極秘?
「今でも交流のある高校時代の友達は殆ど知ってると思う。佐竹も榎木もロックンロールフラワーも、坐故も上原も鹿田も。中野さんも知ってるし…明音さんがどうしてるかは知らないけど。いやでも流石にオープンにはしてない…と思う。秘書の人とか知ってるのかな」

50 二人の愛は永遠だと思う?
「とりあえず、俺が死ぬまでは一方的には永遠」



51 貴方は受け? 攻め?
「基本受け」

52 どうしてそう決まったの?
「明音さんがそれまでタチ専門だったから。でもしたいって言ったらいいよって言われたから、時々逆になる感じの」

53 その状態に満足してる?
「してる。というか、全然、だって振られると思ってたし、そういうふうになるの考えてなかったし…。なんか、セックスするっていうのが、別世界のことだったっていうか、いや高校あんな感じで何言ってんだって感じだけど、うん」

54 初エッチはどこで?
「明音さんの家。っていうかもうその時は住んでたから俺の家でもあるけど…」

55 その時の感想を・・・・
「なんかもうひたすらやさしくされててずっとまっててくれて、なんか、もう、ゆめなんじゃないかって」

56 その時、相手はどんな様子でした?
「最後まで保って良かったって言ってた」

57 初夜の朝、最初の言葉は?
「普通におはようだったけどとびっきり甘い声っていうの、アレ…で一瞬で目が覚めた」

58 エッチは週に何回くらいする?
「えっ週単位なの」

59 理想は週に何回?
「いやもう理想とかそういうの。疲れてる時にそうなるのは分かるんだけど抜くだけ抜くから寝て欲しいっていうかほんと、無理に起きてようとするのやめて欲しい。寝て」

60 どんなエッチなの?
「どんなって聞かれても…。やさしい、かな。時々意地悪いことしないこともないけど、まあ、うん」

61 自分が一番感じるのはどこ?
「………口。たぶん」

62 相手が一番感じているのはどこ?
「えっこれまじでわかんないんだけどっていうか俺が何にもしてないだけかもだけど、えー…っとあー…性感帯って感じじゃないけど、こう、目合わせたりするのはすきみたい。よくされる」

63 エッチの時の相手を一言で言うと?
「やさしい」

64 エッチははっきり言って好き? 嫌い?
「そこそこ…すきだとは、思うけど。別に嫌いじゃない」

65 普段どんなシチュエーションでエッチするの?
「シチュ…? 普通、じゃないの。風呂上がって明音さんの部屋行くとか。居間だと…ほら、中野さんの仕事増やしちゃうことになるかもだし」

66 やってみたいシチュエーションは?(場所、時間、コスチューム等)
「えっべつにない…。着て欲しいのはこう、かっちりした服だけどそういうのでするのはちょっと違うし…」

67 シャワーはエッチの前? 後?
「前、が多いかな? 基本的にセックスって、時間に余裕のある時しかしない訳だし、明音さんもがっつくタイプではないし」

68 エッチの時の二人の約束ってある?
「特に…? なんかあったかな…」

69 相手以外とエッチしたことはある?
「ない」

70 「心が得られないなら身体だけでも」という考えについて。賛成? 反対?
「あーまあ別に、人それぞれなんじゃないの」

71 相手が悪者に強姦されてしまいました! どうする?
「ちょっと想像が難しすぎて…だって明音さんがそんなヘマするように思えないし…」

72 エッチの前と後、より恥ずかしいのはどっち?
「敢えて言うなら後…かな…」

73 親友が「今夜だけ、寂しいから・・・」とエッチを求めてきました。どうする?
「榎木がそういうこと言い出したらよくないことが起こるの確実だからとりあえず美味しいもの食わせてその間にロックンロールフラワーに事情聴取かな…」

74 自分はエッチが巧いと思う?
「べつに…」

75 相手はエッチが巧い?
「巧いと思うっていうか明音さん不得手なことあんの」



76 エッチ中に相手に言ってほしい言葉は?
「言って欲しいっていうか、言ってくれるけど、すきって、言われるのすげえ…うれしい」

77 エッチ中に相手が見せる顔で好きな顔はどんなの?
「なんかもうあの、すごい、なんて言うんだろう、ふわってした顔するの、アレがすげえ、すき」

78 恋人以外ともエッチしてもいいと思う?
「それは当人の倫理観によるんじゃないの」

79 SMとかに興味はある?
「特には。明音さんがしたいって言うなら考える」

80 突然相手が身体を求めてこなくなったらどうする?
「元々、途中でだめになるかも、とか言われてるし…そういうことになったのかな、っては思うかも。でも明音さんはちゃんと言ってくれるから突然、ってことはないと思う」

81 強姦をどう思いますか?
「よくないと思う」

82 エッチでツライのは何?
「正しくはセックスじゃないけど、疲れてる明音さんからがしたいって言うのを断るの結構たいへん、かな。まあ嫌じゃないけど」

83 今までエッチした場所で一番スリリングだったのはどこ?
「スリリングって…別に人様に迷惑のかからないところでしかしてないよ。………理事長室のはノーカンね、ノーカン。してないから」

84 受けの側からエッチに誘ったことはある?
「ないこともないと思うけど、どっちかっていうと俺から言い出すのって逆の時のが多い気はする」

85 その時の攻めの反応は?
「まあ、うん、いつもどおり、かな。逆やりたいって言った時は流石にもしもの時は救急車って話になったけど」

86 攻めが強姦したことはある?
「ない。明音さんはそういうことしない」

87 その時の受けの反応は?
「ないから。明音さんはそういうことしないから」

88 「エッチの相手にするなら・・・」という理想像はある?
「え…特にない」

89 相手は理想にかなってる?
「理想っていうかなんていうか、そういうことになるとは思ってなかったし、そういう意味では理想を越えたっていうか」

90 エッチに小道具を使う?
「小道具…?」

91 貴方の「はじめて」は何歳の時?
「二十三」

92 それは今の相手?
「そーだよ」

93 どこにキスされるのが一番好き?
「普通に口。でもこめかみの辺にされるのも嫌いじゃない」

94 どこにキスするのが一番好き?
「口。あと髪」

95 エッチ中に相手が一番喜ぶことは何?
「目線合わせたり、俺から動いたりするの、かな…? あと名前呼ぶのとか、喜んでくれてるんじゃないかなって思う」

96 エッチの時、何を考えてる?
「明音さんきれいだなーっていつも思ってる。どっち側でも」

97 一晩に何回くらいやる?
「回数ってどうやって数えるの」

98 エッチの時、服は自分で脱ぐ? 脱がせてもらう?
「半々、だと思う…半々だということにしたい…」

99 貴方にとってエッチとは?
「恋人とのコミュニケーションの一種? 絶対なくちゃだめって訳じゃないけど、あると嬉しいもの、かなあ」

100 相手に一言どうぞ
「これからも、よろしくお願いします」



お借りしました!
http://bianca77.easter.ne.jp/100/100_date.html

***

扇風機買いに行きたい 

 夏はね、そんなにすきじゃないんだ。榎木がそんなことを漏らしたのは蝉時雨の中でのことであわよくば隣の人間が聴き漏らしてはくれないかなと思ってのことだった。元より聴いてほしくない言葉ならば言わなければいいのに、どうしてかこの緩い口元は言わなければいい言葉までぼろぼろと零していく。なんでですか、と同じように紛れそうな声で返されたものを無視しなかったのは、それが時雨の中に燦然と輝いて見えたからだろうか。
「…お前も、おなじだって言われてる気がして」
「せんぱいは七日以上生きてるんですから、オレと七日以上一緒にいるんですから違いますよ」
「…そういうもんなの」
「そういうもんです」
蝉のことだとは言葉にしていなかった、空気というものなのかもしれなかった。
「えへへ…」
 それでも、彼がすべて分かってくれるなんていう幻想に麻痺していたかった。



あなたは北原白秋作「断章」より「『かなし、かなし、ああかなし、今日なほひとり。』」でめがえのの妄想をしてください
https://shindanmaker.com/507315



20160413

***

20190117