その何処か冷え冷えとした諦観が、男の部分に火を点けてしまったと言うのか。
いや、もう、何も分からないのだ。そもそも、血の繋がった生き物に欲情するなんてことが、どうやったって義唯には理解出来なかったのだから。
小さな蕾は握りつぶされた
始まりはただ、着替えを覗かれたりするだけだった。風呂に一緒に入ることは、それこそ父娘ならあり得るのだろうと、きっとその点では義唯が麻痺していた。
眠って、朝が来たら朝食を用意して、それから学校に行く。そんなことを頭の中で繰り返していた義唯の上に、何かなまあたたかいものが降ってきた。
「義唯」
どろどろに溶けた声。父親の声だった。酒でも飲んでいるのだろう、息がその匂いだった。このまま上に乗っかられているのも困る。だから、父さん、水飲みなよ、起き上がろうとしたのに。
「義唯」
再び呼ばれて、起き上がりかけた身体は男の膝の上に落ちた。
「…父さん?」
「義唯は可愛いなあ」
パジャマの上から、手が這い回っていることに、思考が白くなる。何、何をしているのだろう、この男は。未だ初潮も迎えていない身体には凹凸が少なく、誰かと勘違いすることも難しければ何を楽しむことも出来ないはずなのに。
「可愛いから、男を誘惑しないか父さんは心配だよ」
そんな言葉と共にぷち、ぷち、とパジャマのボタンが外されていく。子供の身体だ、専用の下着なんて着付けていない。直ぐにそれは男の手のひらの捉えられる。
「これもそのうちおっきくなっちゃって、男の視線を独り占めにするんだろうなあ」
「と、とうさん、何…? 水、飲もうよ。酒、飲みすぎた…んでしょ?」
「あはは、子供でもちゃんと乳首ついてんだよなあ」
酒で熱くなった指先がつい、と肌を滑っていく。嘘だろ、という感情が行動に追いつかない。
「義唯はつままれて転がされるのが好きなんだ」
くりくり、とそんなものに晒されたことのなかった場所が、血の繋がった父親の手によって花開いていく。強引に、開花させられる。
それは、恐怖だった。
「や、やだ…っ、とうさん!!」
叫んで抵抗したら、酔いが醒めるかもしれない―――なんていう思考は、甘かった。
「親の言うことはな、」
「ぐっ!」
「絶対なんだよ」
けほ、と吐き出した息に集中するあまり、何をされたのか分からなかった。が、じわじわと理解する。
腹を、殴られた。じんじんと痛みが熱さと混じって広がって、布団の上に投げ出されている。パジャマの残っていたボタンは衝撃で飛んでしまったのか、前開きのそれは誘うように広がっていた。義唯がその状況を的確に理解する頃には、手首に違和感があった。
「…ッ、とうさん…? ど、どうして、縛るの」
「そりゃあ、義唯。義唯が悪いことをしたからだよ」
ネクタイで縛られた手は身体の前にあったが、それでも子供の身体では出来ることが限られている。というかこの男、ネクタイなんて持っていたのか―――と思ったけれども今はそれどころではない。
男が覆いかぶさってくれば、もう義唯に逃げ場はなかった。手に、こすりつけられているものが何なのか分からない訳がない。前世では自分にだってついていたものだ。けれど―――何故。男にとって義唯は、娘だろうに。
「遣り方分からないよな? こうやるんだよ」
誰にも内緒な、と言う男がどうして娘の手の中で勃起なんてものをしているのか、義唯には分からない。
「や、やだ、とうさん、あつい」
ぬとり、とした感覚に、人にしてやることにこれほどまでに嫌悪を抱いたことはなかったな、と遠く、思う。したことがない訳ではなかったはずなのに、全部が全部、状況が違うからか。前のそれらは基本的に後腐れのないものだったけれど、これは完全に此処から腐っていく話だった。
「熱いのはなー、義唯が可愛いからだよ」
「やだ、やだ…ッ」
離そうとしても上から手を押さえつけてしまえれば、義唯の手は丸く、その性器を受け入れるための皿にしかならない。いやな汗が出る。どうして、こんなことになっているのか。開いた片手で男は義唯の胸はいじり、いやだ、と繰り返す義唯に、悪い子だね、と言ってキスを施した。
舌が強引に入ってくる。それを追い出す術もない。
ぐちゅぐちゅ、と音がする。男が、父親である男が義唯の手で、娘の手で興奮している音。気持ちが悪い。悪いのに、どうすることも出来ない。押し付けられた唾液を飲み込むことは叶わなかった。口の端から溢れたものが布団を汚していく。
「義唯は本当に可愛いなあ」
―――母さんと違って。
その言葉に、もう、何を思って良いのか義唯には分からなかった。
*
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一生咲かない花でいたい
じゃあ違うことをしようか、と言う男の息から酒の匂いが消えることはない。けれども酔っているからこういうことをしている訳ではないのだと、分かってしまったのが地獄だった。酔っているのは行動の切欠だったかもしれないが、この男はずっと義唯に、自分の血の繋がった娘にこういった劣情を抱いて来たのだ。
じんわり、と涙が浮かぶ。
そんなけだものがこの世にいることを、義唯は知らなかった。今回もドブなのだろう、というのは分かっていたが、それでもこんな方向にドブだなんて思ってもいなかった。
パジャマの下がずりおろされていく。下着も、また。子供用でも最近は凝ったものが多いんだな、と思っていたが、この妙にレースの目立つそれはこの男の趣味だったのだろう。片足だけを引き抜かれたそれはもう片方の脚の途中で中途半端に止まり、それらしい$}を作っていることだろう。義唯は幽体離脱なんて出来ないので自分を上から俯瞰することは出来ないが。
「とう、さん…何…? それ…」
「何って、義唯も知ってるだろう? スマホだよ」
問題はどうしてこの状況で男が義唯にスマホを向けているか、だった。聞くまでもない。カメラの部分が光っている。
「義唯」
「や、やだ!」
「嫌じゃないだろ。父さんの言うことを聞くんだ」
ほら、脚を開いて、と男は義唯の言葉を待つことなく、脚を開かせる。閉じられないように膝を軽く踏みつけて。
「こんなに可愛いのに隠すなんて勿体ないじゃないか」
シャッター音がする。
「義唯はとても良い表情をするね」
その音の中で、思考力が削り取られていく。
どうして、こんなことになっているのだろう。前世で父親を殺したのにその罪を贖わず、更に人を殺したからだろうか。大義名分があるからと、そう自分に言い聞かせながら。それを、試されているのだろうか。今度は父親を殺さないような人間になったのか。
「義唯」
スマホの光り方が変わった。あれは何だっただろう、とぼうっと考えて、ビデオモードだ、と思い至る。そして、そのカメラが向く先も。
「や、だぁ!」
「ほら義唯。隠しちゃだめだよ。今から義唯の秘密の場所を開いてみるんだから」
「やだ! やだ! とうさん、やめて…!」
「義唯、やだって言うのはね、本当に嫌な時にとっておかなければ狼少年になってしまうよ」
何を言っているのだろう。
ぐにり、と肉の押し広げられる感覚がある。あまりにそれはスムーズな動きだった。どうして、と思う義唯の目の前に、男はほら、と指を持ってくる。
「こんなに濡れてる」
「―――ッ」
その意味が、分からない訳ではない。けれどもこんな子供が知っている訳もない、という理性がその言葉を引き止める。
「義唯は知らないと思うけれどね、これは嫌じゃない時にしか出ないんだよ」
嘘吐き。
「だから義唯は嘘吐きということになるね? 嫌だったらきっと、義唯の身体はこんなにぬるぬるにならなかったはずだからね」
それは防御反応で出るものだ、気持ちが良くなくても強姦でも出る時は出る。
「すごいねえ、義唯。奥からもっと出てくる。義唯はこれが気持ち良いんだね。父さんは嬉しいよ。でも、他の男に自慢したらだめだよ? 父さんが全部、義唯に教えてあげるから。ところで義唯、ちょっと顔を上げてごらん?」
言われるがままに、顔を上げる。…自分の、下半身の様子がよく、見える。未だビデオモードで撮影がされていることも。でも、問題は其処ではなかった。
「此処、見えるかな?」
「う、あ…」
「泣かなくても良いんだよ。義唯がちゃんと気持ちよくなれてる証拠だからね。義唯が特別ってことなんだよ」
これだけ身体が順応しているのだ、そうなっているだろうとは思っていたけれど。
男が指し示した其処は、ぷっくりと赤く膨らんでいた。気まぐれに男が指の腹でこする度に、腹の底からぞわぞわと妙な心地が浮かんでくる。腰が揺れる。変な声が出る。こんな―――こんなことになるなんて思っていなかったのに。
「義唯、いい子だね」
いい子だから、ちゃんとイこうね。
その意味が分からないままでいると、男はおもむろに義唯の股ぐらに顔をうずめた。舌で暫く其処を弄ってから、じゅる、じゅる、と音を立てて吸い上げる。
「―――ッ!!!」
びくんっ、と身体の制御権が完全に手を離れた。痛みの中、それでも快感と呼ぶべきものだろう感覚が脳天まで突き抜け、目の前が真っ白になった。
もう、何もかも終わりにして欲しかった。
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