世界はAVみたいにうまく出来ていない


 その耳に触れたい、と思ったのが最初かもしれない。芝村さんは結構やり手で強くて、けれどもその強さを自慢しない、みたいなところがとても好感が持てていた。芝村さんの後輩の中で彼を嫌っている人なんてそういないだろう、そう思うくらいに。
 その中で、俺は一人、芝村さんに周りとは違う感情を抱いていた。これは劣情である。勿論、最初から劣情であった訳ではなく、芝村さんのようになりたくてずっと見ていたら自然と、劣情が湧いてきた、というだけの話だ。改めて説明すると何だかよくわからない。
 とは言え、そういう前提があって今、こうして芝村さんを押し倒す、なんていう暴挙に出ているのである。
「芝村さん」
思ったよりも自分の息が荒くなっていてびっくりした。結構ガチだったらしい。芝村さんがこうして押し倒されてくれたことを考えると、本当に意外だったんだろうな、とも思った。
「芝村さん…」
見上げてくる芝村さんの耳はしょん、としていて目の方は涙目で、うわこの人あざといなずるいなかわいいなと浮かんでくる。矢継ぎ早だ。
「な、なんでこんなことするの…?」
「えっと、それは…したいから、ですかね…?」
「なんでしたいの…」
「先輩がかわいいからですかね…?」
 さて。このあと、どうしようか。



芝村先輩を押し倒してみるとうるると涙目で見上げられたあと、「なんでこんなことするの…?」って言われちゃった。さて、どうしようか…。
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