嘘吐きと世界の果て
モブ×先生腰動いてるね、と指摘してやれば否定の言葉は小さく返って来るけれども、その動きは止まらない。最早自分で操作が出来ないのか、なんで、どうして、という言葉はぐちゅぐちゅと水音に掻き消えていく。静かそうで抵抗がなさそうだから選んだのだけれど、これは思わぬ拾い物をした。気持よくてたまらない、と書いてあるような頬をなでてやれば、どんどん腰が大きく動く。
そんな様子を可愛いな、と思いながら体勢を変えた。
「静かにしないとバレるよ?」
自分のコントロールよりもずっと奥に入ってきた異物に、震える身体を抱き締めてやる。びくっと震えた身体にあ、と思い、
「それともみんなに見てもらう? 君の恥ずかしいところ」
そう呟いてみせたら面白いほどナカが締まって、そのまま吐精した。
放心したようにびゅくびゅく、と精液を垂れ流す青年は、少し動くだけで大袈裟なほどに身体が跳ねる。
「すっごい気持ちよさそうだね」
焦点の合っていない目を覗き込みながら笑う。
「今更被害者ぶらないでよ?」
この言葉は果たして、彼に届いているのか。
「なんだかんだ言っても身体は喜んでたんだから」
風切羽を抜け
先輩×高校生第一印象は箱入り、という感じだった。性的なことについては何にも知りません、と言った様子で、だからこそちょっと、そういうことになった時にどうなるのか、興味が湧いただけであって。
「自分から腰振るようになったね」
何度目かの絶頂を自分の上で迎えた彼は、最早ちゃんとした言葉を発せていない。やっとのことで快楽を逃すためだけに嬌声を吐く、それだけ。
「涼暮くんって俺が思ってたよりも淫乱なんだ」
まさか部屋に呼んだ時に出したお茶に、そういった$ャ分のものが含まれていたなんて思いもしないだろう。自分の身体の変化についていけないままひっくり返された後輩はされるがままに反応を引き出されて、結局こうして処女をよく知りもしない先輩に捧げる羽目になっている。それは可哀想だな、とも思うけれど、こうしてぐちゃぐちゃになっている後輩はそれはそれで可愛いもので。
「気持ちいいんでしょ? ここ、びくびくしてるよ? んー…? やだ、って、ヤじゃないでしょ?」
身体の方は正直だね、と言ってやればそれすらも刺激になるらしい。きっと今は何をしても気持ちが良くて、それが怖くて仕方がないんだろう。
「大丈夫」
涙でぐしゃぐしゃの頬にキスを落とす。まるで恋人同士のように。
「これからもおんなじくらい、気持ち良くしてあげるから」
午前のさかな
痴漢×先生きもちよくなってきちゃった? と言う言葉に何も返せなかったのは、何を言ったとしても肯定にしかならなそうだと察したからだった。せめてもの抵抗で引き結んだ唇に男も察したのだろう、更に動きが激しくなる。涼暮は揺さぶられるがままになるしかない。
「早く降りないと遅刻しちゃうんじゃないかなあ」
出勤のために乗った電車はとても混んでいて、男が密着してくるのから逃れる術はなかった。それを分かっているように男はびくびく、と震える身体を掴んで、涼暮を壁に押し付ける。
「はは、ちゃんと立っててよ、先生」
耳元で囁かれて唇を噛み締めた。どんな刺激も快楽に変換されていくような、こんな状況は可笑しいはずなのに。
「じゃないと生徒にバレちゃうよ?」
にやにやと笑う男に唇を奪われる。噛み締めすぎて血の出た唇を味わうように、知らない舌が舐っていく。ずちゅ、と音がする。紛れもない自分の身体の中で。
「こんなところできもちよくなっちゃう、淫乱な先生だって」
にやついた男の笑みだけが、やけに目に焼き付いていた。
意図なんてないですはしたない魚のフライ
たちすず人の嘔吐く音を延々と聞いているのなんて苦痛でしかないと思っていた。
「先生」
「…何かな、橘くん。人の、吐いてるところなんて、見ていても面白くないだろう。それに、ええと、君まで吐いてしまう羽目になったら、申し訳ないから」
「いや、あの、人につられて嘔吐するのは胃液の匂いとかそういうものがあっての話なので、今嘔吐くだけで吐いてない先生に何を言われましても」
「………はい」
そうですね、と叱られた子供のように頷いてみせたその人は、先ほどから便器を抱えるだけで何もしていない。
「吐けないんですか」
「いや、もうちょっとすれば、多分」
「吐いたことありますか」
「…学生時代に、二、三回くらい…」
胃腸虚弱でね、と続ける涼暮に橘はため息しか吐けなかった。
「その時はどうやって吐いていたんです」
「え、特に…何もしなくても、こう、なんとかなってた気がしますね…」
「吐いた方が楽になりますか?」
「うん? うん…まあ、そうだね」
なら仕方がない、と思う。
「先生」
「何かな」
「これからすること、怒らないでくださいね」
こっち見てください、と言うと涼暮は素直にそれに従う。二回りほども違う相手のその動きにため息を吐きたい衝動を今度は堪えつつ、その口に指を押し込んだ。慌てて口を閉じようとするの抑えてもっと奥へと指をすすめる。
「…ッあ、ぅ」
「僕の手のこととか気にしなくていいですから」
空いている方の手で背中を擦るのと同時に喉の奥をくすぐってやれば、可哀想なほどに肩が跳ねる。
「先生」
耳元で囁くのは体制上それしか出来ないからだ。
「大丈夫、ですから」
出して。
逡巡したような間があって、それでも生理的な欲求には耐えられなかったのか苦しそうな声と共になまあたたかいものが橘の手を伝っていった。
そりゃもうそのあとはとてつもなくみっともなく
たちすず涼暮洋はよくも悪くも自分が生徒に対して公平であると思っていた。思っていたがどうにも、そうであっても時折勘違いをする生徒というのは一定数、男女問わずいる、もので。
「先生その目、すっごいソソる」
数人に押さえつけられた涼暮の上で、この集団のリーダーらしい生徒の名前を思い浮かべながら、涼暮はきっと彼を睨み付けた。
「×××くん、離せ」
「あ、先生ホントは口悪いって噂、本当だったんだ」
「今なら反省文で済ませてやる。×××くんも、×××くんも、×××くんも、この時点で暴行だから」
「先生の力がないだけなんじゃないですか」
「オレたちあんま力入れてませんよ」
「そういう問題じゃねえよ…」
「っていうか先生、分かってる?」
「何が」
「オレたち先生とヤりたいんだけど」
「俺は嫌なんだけど」
「だから先生が巡回する番、狙ってこうしてる訳なんだけど」
「計画的かよ」
「先生が巡回に来てるってことは他の先生は来ないじゃんね? ってことは助けとか、来ないじゃん」
「職員室に戻らなかったら誰かしら様子見に来るだろ」
「じゃあそれまでに挿れちゃうね」
「会話しろ会話」
「それ先生には言われたくないなあ」
身体の中で指が蠢いている。
「先生、そんなあからさまに萎えないでよ。オレが下手みたいじゃん」
「下手…なんだろ…ッ」
手淫も口淫も虚しく、涼暮が彼らの望み通りになることはなかった。先生ってEDなの? と聞かれたけれども別にそういう訳ではない。
「前立腺とか、あるんでしょ?」
「なかったら怖いだろ」
「…先生、涙目の割には減らず口だよね」
もっと泣かせたくなっちゃう、と言われて無理に動かされた指が、吐き気を誘発する。このまま吐いてやっても良かったけれども、掃除をするのは自分になるだろうと思ってぐっと堪える。
「なあ、もう挿れてもいいかなあ」
「そろそろ挿れちゃわないと誰か来んじゃね?」
「じゃ、とりあえずオレ一番なー」
「…ッやめ、」
「あ、先生やっと焦ってきた? 挿れられるの嫌? それならオレのしゃぶる?」
「いやお前が挿れてる間にしゃぶってもらうわ」
「いーアイディア」
「お前ら…ッ」
いそいそと性器を取り出す生徒たちに半ば呆れながら抵抗をする。性知識が偏っている自覚のある涼暮でも、この状態で挿入をされれば自分の身体がどうなるのかくらい検討がついた。ひどいことになる。
「いい加減ッ」
やめろ、と言う前に、ガラッと教室の扉が開いた。
誰か来た、と思って顔をあげて、想定していた顔とは違う人間に、涼暮の動きが止まる。
「…た、ちばな、くん」
「なんか声がするから来てみたら、」
いつも感情をしっかり制御する生徒だなあ、と思っていたので如何にも怒っています、と言いたげなこの分かりやすい調子に面食らった。こんな一面もあるのか、と思う。
「それ、犯罪だって分かってる?」
犯罪、の言葉にことの大きさをやっと把握したのか、彼らは性器をさっさと仕舞うと橘のいない方の扉から逃げていった。
「先生」
嫌なところを見られてしまったな、と思って着衣を整える。彼にはきれいなところだけを知っていて欲しかったのに、こんな側面があるのを知られてしまった。
「大丈夫、だから」
「先生」
「でもまあ、教師に対しての暴行、ってことで生徒指導室には話を通しておくし…あの子たちは停学、になるのかな。名前も覚えてるし、うん、大丈夫」
「先生」
「橘くんも、出来たら、こういうのは口外しないでいてくれると、助かるんだけど」
「先生!」
声を荒げるところなんて想像もつかなかったものだからまた動きを止めてしまった。
「唇、」
「え?」
「唇、切れてます」
「…ああ、噛み締めてたかも」
「………噛み締めるほど、だったんですか」
「知らない方が良いと思うけど、身体の中触られるのって結構きもちわるいよ」
「そう、ですか」
「うん」
間。
沈黙が気まずくて言葉を続ける。
「忘れてくれると嬉しいんだけどね」
「…多分、忘れないと思います」
「そう」
ざわざわと胸の辺りが五月蝿い。
「先生」
「何」
「僕、忘れませんから」
「いやだから忘れてくれた方が嬉しいんだけど」
「忘れません」
「………なら、」
悪いんだけど、と前置きして涼暮はごめんトイレ連れてって吐きそう、と早口でやっと言うことが出来た。
*
このあとめちゃくちゃ吐いたしうまく吐けないの手伝ってもらった。
ねえ、先生?
ストーカー×先生ずっとこの時を待っていた。想像ではない先生が今目の前にいる。そして、僕の下で悲鳴を上げている。気持ちが良い訳ではなさそうだけれど、それは追々頑張ればいいかな、と思いながら腰を動かすのをやめることはしない。
「先生の写真、よく撮れているでしょう?」
壁一面には先生の写真が貼られている。僕が一生懸命集めたものだ。そのどれ一つとして先生がカメラの方を向いているものはない。盗撮かよ、と先生が呻くのを、僕は先生がすぐに分かってくれたことが嬉しくて頷く。
「そうです! 全部隠し撮りです!」
頑張りました! と言っても先生は褒めてくれないけれど。
「この部屋で先生を犯すのがずっと夢だったんです」
先生よりも僕の方が喘いでいるような気がした。でもしょうがない、だって先生のナカは気持ち良い。
「先生が一人になるの、ずっと待ってたんですよ?」
「うぅう…ッ」
「ああ、先生のナカがひくひくしてる…可愛い………」
ずぽっと一回抜いて体位を買えると、んぁっと先生が可愛い声を上げた。それが抜かないで、と言っているみたいで嬉しくなる。
「先生の可愛いお尻が僕のを咥えて喜んでる………」
恍惚とした僕の囁きに、先生の声は返って来ない。
「先生?」
不安に思って、呼び掛けるけれども返事がない。でも声は出ているから、死んでいる訳じゃあないだろう。
「ああ、もう聞こえてないかな?」
知らない人間に犯されたらこうなってしまうのかもしれない、でも先生のだってゆっくりとではあるけれど勃って来たのだし、悪いことばかりではなさそうだ。
先生が現実逃避をする度に、多分先生の堅牢な理性は崩れていく。取り付く島もない、そんな感じが好きだったのだけれども、やっと手に入れたのだからそんな個性の一つや二つ、目をつむるべきだ。
「でも安心して、先生………何度も何度も抱いてあげるから…」
それに、僕にしか頼れない先生、というのも背徳的で良い。
そうしてぐちぐちと犯し続けていたら、先生は射精した。裏返った声が細くて、何度も犯していたら壊れてしまいそうだと思った。
「あ、ほら見て! 先生のナカから僕の精液が出て来たよ? こんなに出せて僕、本当に幸せだよ…」
でも壊れても僕は先生を大事にすると決めている。
「先生…」
後ろから抱き締めた。接合部がぬちゅ、と音を立てる。
「もう、絶対、離さないから」
その先は何処か遠くへ
痴漢×先生少し不健康そうな青年を膝の上に乗せて、ほら早く、と腿を叩いてやる。所謂ヨくなるクスリというやつをナカに塗り込まれた青年は可哀想に、俺の言う通りにするしかないだろう。腰下ろして、と言えば少しの躊躇いのあと、ゆっくりと腰が下ろされる。クスリの影響と念入りに解した悪戯の甲斐あって、じゅぼっと音を立てながらすんなりと挿入された。
「早く動いてイカせてくんないと終点までこのままだよ?」
止まったままの青年に話しかける。
「それとも君のナカがぐっちゃぐちゃで音が大きいから、先に誰かに気付かれるかな?」
びくっと青年の肩が震えて、そのまま彼の精液が腹に掛かる。言葉に弱いのは悪戯の段階で気付いていた。
「君が淫乱だって、この電車の中の全員にバレちゃうかもね…?」
「んぁああっ」
びくびくと震える青年と位置を交代して、主導権をこちらへと戻す。元々譲ったつもりはないけれど。
「可哀想になあ」
その様を見て、流石に声が漏れた。
「ぅぅう…」
この体制では、青年が犯されているのは誰の目にも明らかだ。青年が嫌がっているのも分かるだろうし、そもそも電車はセックスをするような場所ではない。
「ん、くぅ…」
「痴漢に犯されてるってのに誰も助けてくれないとか、ホントに可哀想…ッ」
「ぁああッ」
とは言いつつも腰を止めるつもりは毛頭ない。誰も助けてくれない≠ニいう言葉が決め手となったのか、青年はそれ以上言い返しては来ず、ただ只管喘ぐだけになっていた。それを見て可愛いな、と思う。
「くうう…ッ」
それでも何処か耐えるようなその表情に、ああこれは終点まで続けても満足出来そうにない、と思った。
ヒーローみたいだろ?
痴漢×先生一言で言ってしまえば好みだったのだろう。ちょっと不健康そうな背中にストレートの黒髪、ちょっと長め。細身で浮世離れしたみたいな雰囲気で、つまるところ儚そう、無知そう。そういう男がどストレートで好みで嫌がる顔を見たくなってしまうのはもう性癖なんだろうが、あーこれって犯罪なんだよな、と思う。思うだけでやめることはしないけれど。
「んーそろそろかなー」
存分に弄くり倒したナカはもうどろどろで、青年はどうして自分がこんなことに巻き込まれているのか分からないと言った様子で、それでもなんとか抵抗をしようと試みていたみたいだったけれど。この青年はあまりに非力だった。こうして悪いことをしている俺の方が心配になるくらい。
「…ひっ」
流石に勃ち上がり切った熱を押し付ければ、次に何をされるのか検討がついたらしい。逃げたがる腰を引き寄せて、耳元で囁く。
「バレたくなきゃ静かにしてろよ?」
とろけきったそこに、すんなりと這入ることが出来て逆に拍子抜けした。もしかして処女じゃないのだろうか。それにしては反応が初々しくて可愛いのだけれど。必死で口を抑えているのはバレたくないからだろうが、そちらに行動を振ってしまえば抵抗がなくなるのは当たり前。
「急に抵抗しなくなったね。………もしかして気持ちよくなってきた?」
「ッ」
充分にほぐしたのにナカは狭くてすぐにイッてしまった。でもそれにつられるようにして青年もイッたようだから、まあまあの結果だろう。そのまま奥に押し付けてやれば青年は反動のように二度目の絶頂を迎える。これで本当に声を抑えてるんだから、大したものだ。
「君はこうやっていじめられるのが大好きなんだあ」
「ちが…ッ」
違うというので引き抜いてやれば、物欲しそうにひくひくとする穴が見える。ああこういうのが良いんだよなあ、と思いながらお望み通りにくれてやる。
「あ、あっ…」
にゅるにゅると俺の精液が青年のナカで抽挿を支援してくれている。おかげで楽だ。
「うぁ、あぁあああッ」
抑えきれない、といったように仰け反った青年の目は虚ろだ。先端からは精液がぼたぼたとこぼれている。余韻に浸ってくれているのもなかなか壮観だけれど、そろそろ降りる駅だ。
カシャ、と音がして流石に青年は現実に引き戻されたようだった。別に隠し撮りがしたい訳ではないので音は消していない。
「写真ほーぞん、っと」
軽い音で言ってやると青年の手が伸びてくる。
「消せよ…ッ」
その手は空を切った。まだ挿入ったままなのにそんなふうに動くから、またいいところにあたったらしい。ん、ぁ、と色っぽい声が耳元で聞けた。ラッキー。
「消して欲しかったら相応のことをしてもらわないと」
俺は笑って自分のものを抜いたところにバイブを入れる。何処から出したなんて聞かないで欲しい。こういう時のためにずっと持っていたのだ。今使わないでどうする。
「明日もまたこれ挿れたままで」
頭を撫でてやる。
「よろしく、な?」
目撃者A(或いは、)
痴漢×先生わたしは見てしまったのです。見てしまったけれども何も声を上げることが出来なかったのです。それは確かに非常勤講師でわたしの学校に来ている涼暮先生でした。とても静かな人で少し不健康で、けれどもどこか浮世離れした雰囲気を好ましく思っている生徒は多いでしょう。
その先生が、今、満員電車の隅の席で、脚を上げさせられていました。いえ、お尻を突き出すように座らされていた、と言うべきなのでしょうか。先生のスラックスは下げられていて、その下の下着もまた同様でした。先生の前には男がいて、先生と男の周りを他の乗客の目から遮っているようでした。それでもそれは完全なる壁という訳ではないので、わたしからは全部ではありませんがそれが先生であることは分かってしまいます。
男はどうやらズボンの前だけを寛げているようでした。そしてあろうことか、その、言葉にするにはまだ少しばかり花の女子高生には恥ずかしいものを、先生のお尻に入れていたのです。水音の聞こえてきそうなほど振られる腰の様子は、どう見ても性行為のそれでした。
「すげえやらしい顔してるぞ?」
男の言葉に先生は呻きを上げたようでした。男は楽しそうにまた腰を動かして、それからすこし止まって、ううっと声を上げました。嫌がるように押さえつけられた先生の脚が動きます。わたしは瞬時に把握してしまいました。今、先生はあの男の…その、精液を、中で出されたのだと。
「泣いてる割にはすごい締め付けてたよな?」
男は自分の所為じゃない、とばかりに笑います。
「ほら、こんなベトベトだし。才能あるんじゃねーの?」
そうして恐らく、先生のものを触ったのでしょう。わたしからはその様子は見えませんでしたが、そうでした。何処か中性的な空気も持つ先生も立派な成人男性であり、そういったものを持っているのです。
「今もちゃんと勃ってるし、毎日犯して貰えば後ろだけでイケるようになると思うぜ」
先生が何と答えたのかは聞こえませんでした。けれども外見に似合わず少々言葉遣いが荒いところがあると聞きます。もしかしたらふざけるな、とでも言ったのかもしれません。
「そんなこと言うなよ、つれねーな。気持ちよかったんだろ?」
けれども先生の抵抗をものともせず、男は続けます。
「もっと気持ちよくなりたいだろ?」
男は先生の中からそのおぞましいものを引き抜き、先生のスラックスを元に戻しました。わたしたちの降りる駅は次です。
「じゃあ明日もまた此処な。此処、お前の特等席にしてやるよ」
わたしは見てしまったのです。見てしまったけれども何も声を上げることが出来なかったのです。
ああ、涼暮先生は明日もあの席にいるのでしょうか。
わたしはどうして、明日も同じ車両に乗ろう、なんてことを考えているのでしょうか。分かりません。何も、分からないのです。
たすけてくれるひとなんかだれもいない
痴漢×先生ヴヴヴ、と細かく振動するものを確認してにたり、と笑う。
「こんなものケツに突っ込んで電車に乗るなんてとんだ変態だな?」
勿論それをするように言ったのは俺なのではあるのだが、しかしそれをちゃんと実行することを選んだのはこの青年だ。
「まーえらいえらい。ちゃんと俺の言う通りにしてきたんだもんな? いい子だな」
頭を撫でてやれば返って来るのはきっと睨み付けるような目線だけだ。しかしそれも涙がうっすら浮かんでいれば情欲に染まっているようにも見えなくもないし、そもそもそんな反応をするから俺みたいなのに捕まるんだよ、とも思う。
「ご褒美にもっといいもの挿れてやるよ」
慣らす必要はなかった。バイブを抜き取って自分のものを押し入れる。
「ぅううっ」
その瞬間、待っていたとばかりに青年は吐精した。ずっと挿れて欲しかったんだろうなあ、と思うけれどもきっとこの青年は認めないだろう。そういうのを時間を掛けてでもゆっくり調教してやるのが楽しみなのだから、今は別に良い。
「んんっ」
けれども彼の精神とは裏腹に、随分と馴染んだナカはぎゅうぎゅうと締め付けてくる。にゅぷにゅぷと俺のかたちを覚えるように蠢く内壁に、誘われるままにナカに射精(だ)した。
「くうっ…うう…」
「はは、ナカに射精されて嬉しいんだ?」
そのままじゅぶじゅぶと動かせば、早く射精せと言わんばかりにナカが締まる。お望みなら、と二度目を出すと、びくんっ! と震えた青年が、ガクガクと膝から力を抜きかけた。それをおいおい、と留める。青年が少し力を失ったことで自重によりもっと深く俺のものがナカへ這入って、それがまた青年を刺激したらしいがそんなことは知らない。今のは完全に自分が悪いだろ。
痴漢のもので立っていられなくなるくらい、感じる、なんて。
「ほら、ちゃんと立ってないとバレちまうぜ?」
耳に舌を這わせればうっ、くっと悔しそうな声が上がる。
「お前が電車の中で犯されてヨガってイッちまう淫乱だってさ」
「んう…くうッ…」
「はは、ケツから精液がこぼれてら」
ぎゅっと根本を抑えてやると射精出来ない辛さからか声が少し大きくなる。こいつ、此処が電車の中だって忘れてんのかな、と思いながら電車の揺れに合わせて更に奥まで突っ込んで、またナカに射精してやった。
半ば悲鳴のような小さな彼の声は、電車の音にかき消された。
いつまでも貴方の前では子供でいたい
たちすず一緒に暮らすようになって数ヶ月が経った。大分年上の恋人は性経験が皆無だったらしくいろいろと心配はあったけれども結果的には万事うまくいったのでそれは問題ではない。妙に知識が偏っているなあと感じることもあるけれど、それはそれで。つまり白紙のキャンバスのような人なのだ、と思う。体力もあまりない人だから、無理のない程度で甘えて意見を聞いてもらえたらな、と思う。
思うので、ベッドに二人一緒に座ってお互い上着を脱いだ時、いつもとは違う場所に手を伸ばしてみた。
「あの、橘くん」
「洋さん、そう呼ぶなら僕も涼暮先生って呼びますよ?」
最初苦笑して言われたことを蒸し返せば、あ、またやってしまった、という顔をする。その無防備さに、本当によくこの人この歳まで童貞処女でいられたなあ、と感慨深くなった。学生時代の彼は荒れていたと人づてに聞いてはいたし家庭の事情が盛りだくさんだったこともなんとなくは聞いているが、それでも本当にこの人を独り占め出来るのは奇跡なのではないかとすら思う。
「それとも今日はそういうプレイでもします?」
「え、………え?」
「涼暮先生=v
「は、はい」
「さっき何か言いかけませんでしたか?」
「あ、ああ…」
呼び方に突っ込むことはしないことにしたらしい。
ぼうっとしているように見える彼にもちゃんと倫理観というのは備わっていて、元とは言え生徒に手を出したというのはあまりにも心苦しいらしく、勿論それも考えた上で非常勤講師という職は退いてもらった部分もあるのだけれど。
「俺の胸、いじっても、別に面白くもなんともないと思うんだけど…」
「嫌ですか?」
「いやじゃあないけど…」
「じゃあ少しだけ、付き合ってください」
「………橘くんが言うなら」
本当にこの人は甘いなあ、と思いながら平たい胸へと意識を戻す。しかし彼は食が細いのもあるのか、本当に胸が平たい。筋肉がちゃんとついている分、自分の方が厚いくらいだ。
そんなことを考えながらやわやわと押しつぶしたり短い爪でひっかくようにしてみたりと繰り返していると、徐々に変化が現れ始めた。
「んっ…」
小さく漏れた声を、聞き逃すことはしない。
「気持よくなって来ました? 先生」
「その、先生っていうの、…ッ」
「声、我慢しなくて良いんですよ、先生?」
「やだ、橘くん、………ぁッ」
「先生は指よりも舐められる方が好きなんですね。覚えておきます」
「えっ、んっ…橘くん、まって、橘くん………ッ、あ、明音くんっ」
切羽詰まったような声で名前を呼ばれては、止まるしか出来ない。
「洋さん」
あんまりがっついていると思われるのは嫌だけれどしかし、この人のためにいろいろと我慢をして来たのだから少しくらい、許されたって良いと思う。
「物足りなく、ないですか?」
それに赤くなった顔がややしばらくしてこくり、と縦に振られるのを見て、キスをしてから押し倒した。
電話も出来ない
痴漢×先生可哀想だなあ、と思う。思うだけだ。電車の中、こんなふうになっていることに頭が追いつかない、みたいな顔でこちらをきっと睨み付けて来る青年は、多分自分が思っているよりももう少し年がいっているのだろう。少し幼い顔をしている、そこが目を付けた理由なのだけれど。
最初は抵抗していた青年も膝の上に乗せて逸物を突っ込んでやれば口を抑えて揺さぶられるだけになった。黒髪黒目の、ちょっと不健康そうな青年。音を立てて揺すってやると良いところにあたったのか、悔しそうに唇を噛み締めながら射精した。気持ち良いんだ? と確認してやると首は振られるがナカが少し締まる。正直な身体だ、だからこそ犯しがいがあるというものでもあるけれど。
そんなふうにガクガクと揺さぶられる青年を見ていて、ああ、と思い出したことがあった。
「さっきの奴気付いたかもな」
笑ってやる。まだ彼のナカには挿れていなかった時、場所を少し移動する前のこと。乗客の一人と目があったような気がしたのだ。それに、青年も気付いていたはずだ。なのに羞恥の方が勝ったのか助けを求めるようなことはしなかった。あそこでしておけばこんなことにならなかったかもしれないのに。まあ、もう遅いけど、と思う。それにその目が合った男だってもしかしたらこっちがわなのかもしれないのだ。青年にはすべてが敵に見えているのかもしれない。可哀想だなあ、と二度目を思う。だからと言ってこれをやめてやることはしないが。
「お前が男に痴漢されてるの」
びくっと肩が揺れて、ナカがキュっと締まるのが分かる。
「もしかして想像して感じちゃった?」
首は振られるけれども当たりだろう。きゅっきゅっと締まるナカは本当に正直だ。その反応が可愛らしくて疎かになっていた前もいじってやると、内腿が痙攣するように震える。
「ぐちゃぐちゃになってチンコイジられてるの、バレたくない?」
こくこくと縦に振られる首。
「じゃあもうちょっと我慢してろよなっ」
頭が回らなくなったのか、それとも快感の方が勝ってきたのか、青年は自分から腰を動かすようになっていた。それに身を任せて存分にナカに出してやる。
「う…んんんっ…」
ひくひくと動く内壁が精液をすべて搾り取ろうとしているかのようだな、なんて思う。
おとなしそうな顔をして、とんだ淫乱という訳だ。笑う。
「…っと、もう駅に着くな」
まったく良い拾い物をした。これを手放すなんて馬鹿な真似はしない。
「こぼれないように栓しといてやるよ」
自分のものを引き抜く代わりにバイブを突っ込めば、なんで、と言ったように目が見開かれた。その絶望感に可哀想だなあ、と三度目を思って、それから頭を撫でてやる。
「それ、抜いて欲しかったら俺と一緒に便所に来な。俺の仲間もそこで待ってるからさあ?」
耳元で囁かれた下品な囁きに青年がどう思ったのか知らないが、今の、既に快楽を感じてしまっている彼にこれが自力で抜けるとも思えない。
「ほら」
手を掴んで立たせたら、思いの外軽くて、ああこれなら別の体位も楽しめそうだな、と舌なめずりをした。