井戸の底


 なんでそんな怪しいの飲んじゃうかなあ、と言えばそれだけで毒となるのか可哀想なほどに肩が揺れた。いつもの彼とは似ても似つかない、それこそか弱いいきもののような素振りに腹が立つ。
「オレがいなかったらどうするつもりだったわけ? 他のやつらにいいようにされてたわけ? ねえ、あのさあ、オレは小エビちゃんのことが好きだからこういうことしてるわけだけど、あいつらはそーじゃないわけ。マウント行為って知ってるよね? 小エビちゃん、陸の生物だもんね。それだよ、ちょこちょこ目立つ小エビちゃんのことが気に食わないから、お仕置きしちゃおう、ってやつだよ。オレたちのやってるよーなやつじゃなくて、ルールもなんもないやつだよ。そういうの、分かってる? 分かったら今度からもう、知らないやつから食べ物とか飲み物貰わないように徹底して。あの………忘れちゃったけどトモダチ、にも言っておくから。あー、薬の内容までは言わないよ、小エビちゃんはオレのでしょ。でも、毒盛られたって言っておくからね。これ、毒だし」
自分の指も声も感覚すべてを、彼が感じ取ってくれているのは分かっていた。それを一つひとつ大切にしてくれている、というのも。だからこういうことになったのが腹立たしくてたまらないのに、それと同時にいつもは見られないその姿に興奮するのも事実で。
「はは、ほんとーにエビみえて…」
あ、と喉がこすれるような音がする。このままどうしようもなくさせてしまいたいような、もう二度とこんなことになってたまるか、というのと。脳がぐちゃぐちゃとかき混ぜられるようで。実際にかき混ぜられているのは彼の方なのに。
「分かる? 小エビちゃん。小エビちゃん今、オレのこと怖いでしょ? でもさあ、小エビちゃんの身体はそうは言ってないわけ。ずるずる挿るし、小エビちゃんの体も嬉しそうにするしさあ…。オレじゃなくても良いようになっちゃうの、分かったよね? 流石に今回は小エビちゃんが悪いって認めてくれる?」
こくこく、と首がそれでも縦に振られたのが分かった。ひう、と悲鳴のような音、何度目かも分からないような絶頂。今回ばかりは、慮ることは出来ない。
「じゃあ身体で覚えてね」
本当に、もう二度と。
 こんなことが起こらなければ良い。
 フロイド、と喉が震える。それを潰すように接吻ける。



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